虹の架かる橋
車は高速を走り、どんどん私の家に近づいていく。


なんだか寂しいよ。


マサと居る時間だけが、早く過ぎ去ってしまう気がする。


もっと長く一緒に居たいよ。


限られた時間しかないんだよ、私達…。


早ければ、あと11日しかないんだ…。


少し気分が落ちぎみの私に、マサが話かけてきた。


「どうしたの?元気ないじゃん。さっきの怖い場所連れて行った事、まだ怒ってるの?」


「違うよ…。」
私は答えを考えた。


マサに、「マサと居る時間が残り、早ければ11日しかない!」なんて言えないし、かと言ってさっきの場所の事は怖かったけど、もう頭の中で終わった出来事だったし…。


「家に帰るのってなんで早く感じるんだろう?って思ったの。」
なんとか、話を違う方向に振った。


だけど、どっかに行くって時は知らない場所って、遠く感じちゃう。だけど帰ってくる時は、そんなに距離を感じない。


マジで、なんでだろう?
恋愛みたいだね。


待ちわびて、恋い焦がれて。やっと実ったと思えば、現実は甘くない、って知らされる…。




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