虹の架かる橋
私は、膝から崩れて座り込んでしまった。


そして、声を上げて泣いた。


どんどん涙が出てくる。


壊れたダムのように、とめどなく流れる涙。


永遠の別れとかじゃない。


だけど、私の全てが目の前から無くなってしまったように思えた。


それだけ、マサを愛してたから。


ユリが私を立たせようと手を貸してくれた。


だけど、私は何故か立てなかった。


この場から離れたくなかったの……。


思ってると、本当に立てなくなっちゃうんだね…。


30分位、泣き続けた。


やっと涙も納まって落ち着きを取り戻し始めた。


そして、ゆっくりと立ち上がり、ユリに支えられながら歩いた。


どこをどう歩いたかは、覚えていない。


気が付いて我に返った時には、ケンの車の後ろに座ってた。


周りを見渡すと、駐車場のようだった。


成田空港の駐車場だった。


「ケンとユリ、有難うね。」


「え?」


「私、ケンとユリが居なかったらきっと、夜までゲートの前に居たかもしれない。」


本当にそう思った。


何も考えられず、ゲートの前でずっと泣いていたと思う。



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