虹の架かる橋
「じゃあ、お迎え頼もうかな?」


「うん。任せてね!」


「お土産何がいい?あんまり高い物は買えないけど。何か希望ない?」


「写真がいい。マサが生活してる場所や近所の景色が見てみたい!」


「そんなのでいいの?」


「うん。」


今の私の背中には、天使の羽が生えている。


嬉しすぎて何もかもが素敵に見えた。


そして、電話が切れる警告音が鳴った。


「電話、切れるよ。電話待ってるね。」


「うん、じゃあね。」
そうして電話は切れた。


マサからの電話が待ち遠しくて、携帯を手に持ってにらめっこしながら家に帰った。


30分位して、電話が鳴った。


液晶には、表示不可と出ている。


すぐにマサからと分かり、通話ボタンを押す。


「もしもし。マサ?」


「うん。〜便で、〜航空だから、到着時刻は2時くらいだよ。」


「うん。解った。待ってるから。気を付けて帰ってきてね。」


「うん。じゃあ、切るね。」

通話時間は2分とない位だった。


初めてのマサからの電話。


表示不可の着信履歴を保護したい気分だった。


そしてその文字を見ながら、嬉しくてまた泣いた。




< 150 / 305 >

この作品をシェア

pagetop