虹の架かる橋
「あっ、ごめん。嬉しくて。」


私の目には涙が湧き上がって落ちる寸前だった。


それを見たマサは、何も言わずにニッコリ笑った。


そして2人はゆっくりと歩き出して駐車場に向かった。


「私、今日は自分の車できたの。」


「え?」


「車、貰ったんだ。これでこっちにマサが帰ってきた時は、いつでも逢えるね!」


「いつでも……って。」


24時間私は、マサと逢えるんだよ?


電車とかだと時間があるし。


そう思うと、車って本当に便利に思えた。


私は本当に、マサを基準に時間を費やしていた。


浜松よりも、正月よりもずっとマサを好きになっていた。


「今日はそのまま家に行けばいいの?」


私はマサに訊ねた。


「うん。一応親に顔見せないとね…。」


「うん、解った。」


私はマサと一緒に居れるならどこへでも行くし、何だってする。


その笑顔を見れる事が、私の幸せなんだ…。




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