虹の架かる橋
私は歴史が苦手だったが、鎌倉幕府があった事くらいは知ってる。


マサは「ユタカと待ち合わせした時間より早く着いたから、地元をドライブしていい?」と私に言いながらハンドルを自由自在に操っていた。


「ここが俺の母校、でね、この道を毎日通ってたんだ。」と話しながら、昔住んでた家の前まで連れて行ってくれた。


マサはこの場所で、今あるマサの土台を作っていたんだね……。


なんだか、悪ガキっぽいマサが想像できた。


きっと可愛かったんだろうね……。


それから車を降りて、近所の公園を少し散歩した。


だんだん太陽の光が夕日に変わってきて、公園から見る夕日がとても綺麗だった。


腕時計をみたマサは笑って、「今何時?」と私に訊いてきた。


時間を言うとマサは「行こうか。」と歩き出した。


「NZでは今何時なの?」


「今は9時かな。」と再び腕時計を見た。


ニコリと私は「ちゃんと使ってくれてるんだね」って言いながら車に乗り込んだ。



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