虹の架かる橋
ユタカの家に行った。


「入るよ。」とズカズカ上がりこむマサ。


私は「お邪魔します」と言って靴をそろえて家に上がらせてもらった。


「久しぶりじゃねぇか。」とマサとユタカは楽しそうに会話をしていた途中に「俺の彼女」と紹介された。


その、彼女、という言葉にユタカが少し表情が暗く変わったのが分かった。


そしてすぐにニコリとして「ヨロシク」とユタカは言った。


私はタクに聞いた、元彼女の話を思い出した。


きっとユタカも知ってる子なんだろう、と思ったし、国際電話を掛けたのもユタカなんだろう、と思った。


でも私がその事を知ってる、って事はマサは知らない。


だから知らないフリをして「ヨロシク」と笑顔で答えた。


1時間が過ぎた頃、ユタカの携帯が鳴って「シンゴと合流しようぜ。」とマサにユタカが言った。


「シンゴ忙しいんじゃねぇーの?」とマサ。


「今シンゴから電話で時間空いたって。」とユタカが言うと、マサはかなり嬉しそうだった。


「シンゴといつもタイミング合わなくて、やっと会えるよ。」


「いや、俺もシンゴと2ヶ月位会ってねぇーよ」とユタカ。


そんなにシンゴって男は忙しい人なんだ……。



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