虹の架かる橋
全部が揃ったところで2人は「いただきます」と言って箸を持った。


マサがまずは煮付けに手を伸ばして口に運ぶ。
その一瞬が凄く緊張した。


私は恐る恐るマサを見る。


マサは「マジ美味い」と歓声をあげてくれた。


私はそれを聞いてほっとした。


マサは合宿でのケンのように沢山食べてくれた。


何度も「美味しい」といいながら、ニコニコしながら食べてくれた。


その後景が、私は本当に幸せだと感じた。


幸せとは、きっと自分が努力したご褒美なんだ……。


私は相変わらずマサを見ていた。


マサは「あんまり見ないでくれる?」と笑いながら言っていた。


私は「いやだ、ずっと見てる」と冗談を言ってマサを見た。


そんなささいな会話も、私の中ではしっかりと刻み込まれる。


マサと過ごす時間として、私は何一つと忘れないように……。


これからまたNZと日本で離れてしまうのだから。







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