虹の架かる橋
ご飯は、全ての物が綺麗に無くなっていた。


マサが残さず食べてくれたんだ。


私的には、チョット多いかも?って思ってたのに…。


それもマサの優しさなのかな?


お腹一杯でも食べてくれたのかな?



「凄く美味しかった。ご馳走さまでした。」


マサはそう言って箸を置くと、私を抱き締めてくれた。


テレビではお笑い番組が流れている。


騒がしい音が聴こえてくる中に、抱き締められた私の耳は、テレビの音が凄く遠くに感じられた。


マサの胸の中で、私はこの胸の温かさが、記憶の中でいつまでも忘れなければいいな、と思っていた。


それから、私とマサはキスをして、感情のまま自然に身を任せた。


動物には感情が無いから、ただ子孫を残す行為なのに、人間には何故感情があるのだろう?


心が満たされる、という素敵な感情はなんで人間以外の動物には無いのだろう…。



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