虹の架かる橋
｢次はいつ帰ってくるの？｣その言葉を声に出して言うか、凄く迷った。


でも、我慢が出来なくて訊いてしまった。


この言葉を言ってしまったら、マサは自分の事を責めて謝るだろう。


でも訊かずには居られなかった。


マサを日本で待つ支えが欲しかった。


｢解らない…。本当にごめんな…。でも、今年じゅうには一度帰ってくるから。｣
と返事をくれた。


その、今年、と言う言葉が凄く長い時間のように思えた……。


やっぱり聞かなければ良かったのかもしれない。


見送りはやっぱり笑顔じゃなくちゃ、と自分に言い聞かせて明るくマサに｢変な事聞いちゃってごめんね。｣と謝った。


マサは作り笑顔をして私に｢いいよ。｣と言ってカフェの壁に掛かっている時計に目をやった。


｢そろそろ時間だ…。｣


その言い方は静かに、ごめんね、と言っているように聞こえた。


｢本当に無理しないでよ。｣
とマサは私に強く言った。

｢うん、私、大丈夫だよ。｣私は元気よく答えた。



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