虹の架かる橋
紅葉が始まる10月。


私の誕生日がある。


友達が「ケイの誕生日会をやろう」と何人かに声をかけてくれて、家でパーティーをしてくれた。


ケーキを囲みながらお酒を飲んで、私は楽しい誕生日を迎える事ができた。


そして、パーティーも中盤になりみんなほろ酔い気分の時に私の携帯が鳴った。


液晶画面には、通知不可と表示されていた。




海外からだ……。


その表示を見た瞬間、私の心臓は一気に大きく鼓動を打った。


「もしもし。」
私が声を発すると、友達みんなが一斉に静かになり異様な緊張感をかもし出していた。


「マサだけど、」
毎週聞く声と、何ひとつ変わらない声。


「うん。」
私は言葉が見つからなかった。


普段しゃべっているのに、今が何を話していいのか分からなかった。


だって、私の誕生日に電話をくれたのだから……。


絶対と言っていいほど、マサはNZから電話をくれない。


それが今日に限って、今日だからこそ、電話をくれた事が、何よりのプレゼントに思えた。




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