虹の架かる橋
「お誕生日、おめでとう。」とマサは言ってくれた。


「ありがとう。」
私は今まで頑張ってきた心の鍵を壊しそうになってしまった。


涙がじわりと沸いてくる感覚が自分でも解った。


我慢して泣かないようにしているけど、声が鼻声になってしまっている。


「今何してるの?」とマサが私に尋ねると、「みんながお祝いしてくれてる。」と答えた。


「そっか、じゃあ1人じゃないんだね、良かった…。」
とマサ。


今日、誕生日という特別な日が独りだったら、って心配してくれたんだね。


ありがとう……マサ。


私は鼻声のままマサに「逢いたいよ。」と言った。


ある意味私は限界だったのかもしれない。


マサと逢えない6ヶ月は、自分に頑張れ、と言い聞かせていた6ヶ月。


予期せぬ電話で、私の我慢も壊れてしまったらしい。



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