虹の架かる橋
マサの香水の匂いが、私の涙腺を刺激する。


香りが余計に、マサとの再会に一役買っている。


マサの匂いだ……。


この一瞬の為に私は7ヶ月待ちに待って、やっと得られた実感。


目の前にマサがいる。


こうして抱き合っていられる。


夢でもないんだ……。


何度、マサの夢を見たことか……。


でも夢は覚めてしまえば、幻となって消えてしまう。


今の現実は幻なんかじゃないんだ。


マサと私は見つめ合って、入国ゲートの前で長いキスをした。


離れていた時間の分、長い長いキスだった。




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