虹の架かる橋
マサは「さぁ、ここに居ても意味無いから行こうか」と言いながらトランクを引く手と反対側の手を、私に差し出した。


私はその手を握りながら、浜松の事を思い出した。


マサと初めて手を繋いだ日の事。


あと1ヶ月で1年前になってしまう…。


ついこの前の出来事に思えるが、あれから沢山私は泣いたんだなぁ、と思い出した。


「マサ、今日の予定は?」
と私が訊いた。


「うん、特に考えてないよ。どうしたい?」
マサに逆に訊かれてしまった。


「マサと一緒に居れるなら何でもいいや。」


私は思った事をそのまま言った。


私はマサとなら、どこへでも、何でもするよ…。




< 192 / 305 >

この作品をシェア

pagetop