虹の架かる橋
だけど、時には甘い言葉が必要な時もある。


今がその瞬間なんだよ…。


「マサ、私の事、離れていてもちゃんと好き?」


私から訊きたくなかったけど訊いてしまった。


「不安だよね…。」
とマサは口を開いた。


不安……。
そんな言葉では言い切れない。


だって、私はこうして電話でNZと日本との距離を感じている時間に、ミーはマサと同じ国に居るし、逢いたいと思った時にはすぐに逢える距離にいる。


ミーは、私にマサへの想いを5枚の手紙に書き綴った。


その気持ちが本当に心の声なら、マサと近くにいない私は、マサの心を私に向け続ける自信なんてない。


逢えない、ってこんなに苦しいなんて思ってなかった。


今まで離れていた時間の自信が、今はすぐにでも壊れてしまうモロイ絆のような気がしてる。


心の繋がりなんてカタチに出来ない。



だから、せめて言葉で安心させて……。





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