虹の架かる橋
部屋に入り、机に座る。


だけど、勉強する気が起きない。


こんな気分じゃ勉強しても意味が無い。


シャワーに入って気持ちを切り換えよう…。


私はシャワーを浴びている間、効果測定の事とは別にマサの事を考えていた。


頭の中に残る笑顔…。


転んだ時に差し出してくれた、あの温かい手。


そして、火傷した時のお水。


私はマサの優しさが心の中から離れなかった。


同時に、もっと知りたい、近くに居たい…、って思った。


マサには彼女いるのかな…?


マサはどんな女の子が好きなの?


私の頭の中はマサの事ばかり考えてしまって、効果測定の事はすっかり忘れていた。


それを現実に引き戻してくれたのは、扉のノックの音だった。


シャワーを浴びている私は、慌てて体を拭き、「誰?」と声を出した。


「マサだけど…。」


ドアの向こうから声が返ってきた。
私は、なおも慌てて洋服を着ながら、「チョット待って、今開けるから。」と返事した。



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