虹の架かる橋
満足に睡眠を取れなかった次の日。


仕事中もマサの事を考えて過ごしていた。


定時で終わって、家に帰るとポストに手紙が届いていた。


薄い紙の封筒で、住所が英語で書いてあるので、すぐに海外からの手紙だと分かった。


海外からなら、マサかミーしかいない。


字を見るとマサだと、すぐに分かった。


マサからの手紙は初めてではなかったけど、なんだか嫌な予感がして、すぐに開封する気になれなかった。


どうしてこんなに胸が締め付けられる気になってしまうんだろう…。


家に入り靴を脱ぎ捨て、家着に着替えてマットレスに横になり、まだ封筒を開けられないでいる…。


ただその封筒を見つめて、内容を考えている。


マサがわざわざ手紙を書いた、という意味を考えながら、開ける勇気がイマイチ出ない。


本当は、昨日の電話でマサが居なかった事、手紙が日本に届く日数を考えたら、何日か前に書いた内容だと想像すると、昨日の留守には意味がある、って解るんだ…。


だから、封を切るのに勇気が無いんだ。




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