虹の架かる橋
マサからの手紙を開けてしまったら、何もかもが過去になってしまう気がした。


日本とNZの距離が、一層遠く嶮しい道のりに感じる。


だけど、私が想像してる事が書いてあるとは限らない。


怖いけど、手紙を読まなくちゃ…。


マットレスの上でゆっくりと封筒の隅を切り始めた。


ビリビリと音を立てながら封筒は開封された。


中には、一枚の薄い紙が三つ折りになって入っていた。


その三つ折りの手紙を読む前に、窓の外に目を移した。


さっきまでの空と違って、ポツポツと雨が降り出してきて、私の大好きな月が見えないのが凄く悲しく思えた。


雨の音をバックミュージックに三つ折りの手紙を開いた。




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