虹の架かる橋
洋服は着たけど、髪の毛が濡れたまま。


そんな状態でドアを開け、マサを見た。


「早いね。あんまり盛り上がらなかったの?」私が聞く。


マサは「俺だけ帰ってきた。」と答えた。


「そうなんだぁ。どうぞ。」
と言って、部屋にマサを入れた。


「俺の部屋と配置が逆だ。」マサはそう言いながら、部屋を一周見渡した。


さっきのシャワーで考えていた事を思い出してしまった。


自分の気持ち…。


そう思うたび、ドキドキした。


そんな私の気持ちを、知られないように平然を装いながら「どうしたの?」と聞いてみた。


何か用がなければ、私の部屋には来ないだろう。


「勉強、邪魔しにきた。」
とニヤニヤしながらマサは答えた。


「邪魔って…。」
私は笑いながらマサを見た。


「今日やった問題、見せてよ。」
マサはそう言いながら手を出した。


私は鞄から、今日受けた問題を取り出してマサに見せた。


マサの方が4日遅れて授業を受けているわけだし、解るはずないじゃん、って思った。


だけど、そんな私の思いはすぐに覆された。


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