虹の架かる橋
そんな時だった。

私とマサの過ごした大切な時間の思い出が、時が経つように、だんだんと変化していった。


マサと教習所で撮った写真が、付き合っていた男に、目の前で破られてしまった。


原因は私。


その男と付き合っていながら、マサの事を想っていたからだ。


「ケイは誰を好きなんだ」と、大声を張り上げながら、アルバムの写真を片っ端から破り捨てる彼は、とても小さく見えた。


怒るのも当たり前だし、私が彼をマサ以上に愛せないもどかしさが、彼と私を苦しめた。


「ごめん…。」
私はそれしか言えなかった。


そして、その彼とは終わった。


一つの恋愛が終わってしまった事よりも、私は破られた写真の方がショックが大きかった。


マサの写真のデータを一生懸命探す私は、マサともう一度やり直したい、と願いを込めていた。


データが見つかれば、きっと、いつかマサに逢えるような気がしていた。



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