虹の架かる橋
その次に襲ってきた事は、マサとプレゼント交換したネックレスが、無くなってしまった事だった。


友達に「未練があるのはしょうがないけど、ネックレスは外した方がいい」と言われて、大事に手帳の中に潜ませて、毎日持ち歩いていた。


御守り代わりに大切に…。


だけど、その手帳が入った鞄を盗まれてしまったんだ。


私の元から天使の羽は、羽ばたいて、どっかに行ってしまった…。


天使なんて、本当は居なかったんだ、と思ってしまう。


居たのならきっと、私とマサは別れずに済んだと思うし、マサが帰国するまで私は楽しみに待って居たと思う。


時間は常に進むもの…。


前を向いて歩き始めなくてはいけない、と分かっているけど、マサと過ごした時間があまりにも私には大きすぎて、どうしても一歩が踏み出せない。




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