虹の架かる橋
ユタカの言葉は凄く嬉しいけど、今更会って何を話せばいいのか分からない。


ただただ、マサへの想いを心の引き出しに鍵をかけて過ごした私は、中の大切な物に触れる勇気が無かったの……。


「いや、会わなくていい……。自分がどうなるか分からないし、今やっと落ち着いたんだ。マサと過ごした時間が過去の楽しい思い出でも、それはそれで幸せだから。」


そうユタカに伝えた。


本当は逢いたかった。


マサに抱きしめられたい、と思うし、マサを見つめていたい、と心から思う。


でも正直に言えなかった。


言って、現実に逢えたとしても、きっと前には戻れないのだから……。


もう傷つきたくない。


きっとマサの一言で私は全てが変わるから……。




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