虹の架かる橋
運命
そしてユタカとの約束の金曜日。


待ち合わせは渋谷の居酒屋だった。


7時と約束して、その居酒屋に行った私は、席が沢山あった為、ユタカに入り口で電話をした。


ユタカは入り口まで迎えに来てくれて「久しぶり!」と話ながら、席の方へ歩き出した。


照明が、やや暗めの店内。


入り込んだ内装で、各テーブルが個室のような感じになっていた。


「ここだよ。」
ユタカが言う。


目の前にはロールになっているスダレが上から吊るされていて、その向こうが席になっていた。


スダレを自分が入れる高さまで持ち上げて、中に入ろうと目を席に移すと、予期せぬ事態が起こった。


テーブルに座っているのはシンゴともう1人……。





スーツを着た、見覚えのある骨格。


何度も、抱きしめられたい、と思い続けた、私の大切な宝物。


そう、マサが居たのだ。





私の動きは一瞬にして止まった。


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