虹の架かる橋
夢を見た気分で、どう電車を乗り継いだのか、覚えていないまま家に着いた。


夢ならハッピーエンドがいいけど、夢じゃない。


私は自分の部屋に入り、マサからもらった手紙の存在を思い出した。


おそるおそる封筒の隅から切っていく…。


年月を感じさせるヨレヨレの手紙は、私の気持ちを書いたような出だしで始まった。


-ケイ、元気ですか?-


-俺は、ケイに酷い事をしたね。沢山、涙を流したでしょう-


-ごめんな…-


-今、この手紙はケイと別れて3年目に書いてます-

-ケイ、俺は毎日ケイと別れた事を後悔しています。ケイともう一度やり直せたらいいのに、と思っています。-


-ケイは今どんな生活を送っていますか?- 


-手紙を送ったけど、昨年戻ってきてしまいました。今どこに住んでますか?-

-俺達はもう交わる事が無いんだろうか?-


-瞳を閉じると、ケイと過ごした時間が鮮明に頭の中を流れます。-


-ケイ、逢いたいよ…-









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