虹の架かる橋
慣れない英語を話しながら、NZの空港に降り立った私は、マサから貰った昔の手紙に、住んでいた町の行き方や、そこの地理について書かれた手紙を読み返しながら、タネアトアという場所に辿り着いた。


すごく落ち着いた所で、都会という空気ではなかった。


遠距離恋愛をしていた頃、マサからの手紙を楽しみにしていた気持ちを思い出した。


とても、懐かしく感じる。

その頃に想像していた街並みに、現実を見て、想像とあまりギャップを感じなかった事に嬉しくなり、楽しい気持ちで現地の人に写真を見せながら、虹の掛かる橋を探した。


そして、何よりマサとの思い出にゆっくりと浸れる時間の流れが、私を穏やかな気分にさせてくれた。


見るもの総てが、日本で想像していた物と、マサが嬉しそうに話しをしてくれた時の記憶とシンクロする…。


それだけで幸せだった。


私、NZに来て良かった…。

マサが毎日見た景色を、今、私が見てるんだね。


ねぇマサ…。
私があの時、NZに一緒に来ていたら、未来は変わっていたのかな…?




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