虹の架かる橋
ドアマンに車の助手席の扉を開けられて、私はマサに、一緒に居たい、と言えないまま車を降りた。


マサも車を降りて、私を見ている。


さっきマサに、明日もう一度橋を見に来よう、と言われたけど、明日逢えるのかな……?


約束が、あって無いような気がして、凄く不安だし、訊くのが怖かった……。


約束をしてしまえば、あてにしてしまう……。


信じて裏切られるのが怖い。


それは、相手がマサだから………。


私の宝物だから……。



私は何も言えないまま、フロントに歩きだした。



マサが私に、「…今晩、一緒に居ていい…?」と、訊いてきた。



私は、迷う事なく首を縦に振った。



「私も一緒に居たい……。」


恥ずかしい気持ちと嬉しい気持ちで、マサに言った。


そして二人でフロントに行き、チェックインした…。


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