虹の架かる橋
私はマサが来るのをドアの前で待った。


待ってる時間は、1分が凄く長く感じる。


マサの部屋は4階、私の部屋は7階。


今、部屋を出て、エレベーターに乗って…。
と想像をしている。


そして、待ちに待った、ドアの叩く音。


来たッ。


「どうぞ。」
と私が言って、マサが部屋に入る。


その一つ一つの行動が私の胸を高鳴らす。


別にたいした事じゃない、勉強を教えてもらうだけ。

と自分の心をなだめた。


マサと私は昨日のように、私が椅子に座り、斜め後ろにはマサが立った。


心臓の音がマサに聞こえてしまいそうな気がして勉強に集中できない。


恋ってこんなにもドキドキするものなんだっけ?


私は過去の恋を思い出そうとしていた。


「ってか、どこが解んないの?」
マサは私の肩に手を置き、聞いてきた。


「うん、この問題が全然意味が解んない。」


私は問題を指しながら言った。


ねぇマサ。
肩から伝わるマサの体温が、私の心臓の鼓動を早くしてるんだよ。


って言いたかった…。



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