虹の架かる橋
「だけど同時に、マサと連絡が取れなかった頃の自分を思い出した。」



「食べ物が喉を通らないし、生きる気力まで無くして、毎日泣いて過ごしていたんだよ。」



マサは変わらず、無言で話を聞いている…。



「あんなに辛い時間は、もう嫌だ、って思った。」



「マサは、私に話しをしたい、って言ったけど、私はあの時も、マサを好きだったから、余計に辛かった…。」



「やり直そう、って、言ってくれた時も、死ぬほど嬉しかった。だけど…。」



そこまで話しをした、私の頬には、涙がこぼれていた。


「だけど、話しをすればする程、私は苦しくなる…。」



「私はあの時、マサを信じられる勇気が無かったの。」


「…自分が傷つくのが怖かった…。」



私の涙は、止まらずに頬を流れている…。



「心の底から、好きだったから、自分の気持ちから、逃げたの…。」



マサが私の頬を優しく触れる…。




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