虹の架かる橋
いつの間にか眠りに就いていた。


朝、マサに起こされた。


声で起こされた訳ではなく、マサの寝返りで起きてしまった。


マサの右腕が私の胸の上に乗り、傍から見れば抱きしめられている様に見える感じだった。


勿論、ドキドキした。


私はマサを見た。


マサはゆっくりと目を開けて、今の状況を考えているようだ。


そして、「おはよう」と笑顔で言った。


「おはよう。」
私はニコっと笑って昨日の夜の話をした。


「頑張って起こしたけど起きなかった…。」って。


「ごめんね。」
マサがそう言うと頭を撫でてくれた。


その瞬間にまたスイッチが入ってしまった。


こんなに密着してるんだから、今度は絶対に心臓の音が聞こえてしまう。


恥ずかしい…。


ところが、私の心臓をもっと刺激する出来事が起こった。


頭を撫でていてくれる状態から、マサは私にキスをしてきたのだ。


「おはようのキス。」
と言って照れ隠しのつもりでマサは言った。


私は固まってしまった。


勿論、嬉しかった。


でも、どうリアクションを取っていいのか解らなかった。



< 37 / 305 >

この作品をシェア

pagetop