虹の架かる橋
マサが私の部屋を出ていくまでずっと見ていた。


心の中で、さよなら、と思いながら…。


朝のレストランでは、相変わらず凄い食欲のケンと、ゆっくり食事するタクがいた。


マサはまだ来ていない。


「ケイ、今日で最後だね」とタク。


「うん。なんか、みんなと離れると思うと寂しいよ。」と答えるが、もう涙が浮かんできている。


きっとマサに見られたら何か言われるなぁ…。


と考えていると、マサが「おはよう」と言いながら登場した。


マサはいつもと変わらないニコニコ顔でいる。



この朝食風景も最後なんだ…。


マサと逢う前までの私なら、この日を待ち望んでいたはずなのに、今はそんな風に思えない。


最後の朝食も、いつもと変わらない、たわいもない話で盛り上がった。


みんな気を使ってくれたのかもしれないね…。


「みんな有り難う。この合宿にきて良かった。凄く楽しかったよ。地元戻っても連絡取り合おうね。」


みんなは頷いてバス停に向かう準備をした。




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