虹の架かる橋
最後は明るくしてよう、と部屋を出た私は、バスの中で明るく振る舞った。


一番後ろの窓側の争奪戦。


毎朝やってたね、みんなで…。


だけど、今日はみんなが私に特等席を譲ってくれた。


そしてバスは走り出す。


この景色も今日でお別れだね…。




車の運転には自信があったから、ほぼ今日で浜松に居るのは最後だ…。


マサと離れる辛い気持ちを隠して笑っていた。


卒検は、予想を裏切る事なく合格した。


そして卒業認定書を受けとると、もうこの教習所に居る意味が無くなった。


最後に、マサに出逢ったあの喫煙所に向かう…。


煙草に火を付けて、長椅子に座る。


出逢った時と同じ位置に腰を降ろした。


ここから始まったんだね、マサ。


初めましての時、マサの笑顔に私は惹かれたんだね。


それからどんどんマサを好きになっていったね…。


ねぇマサ。


私達はこれから先、交わる事は無いのかな?


もう過去の記憶になっちゃうのかな?






< 66 / 305 >

この作品をシェア

pagetop