虹の架かる橋
私達が行く店は、近くにある居酒屋。


料金もリーズナブルで、味もそこそこ美味しい。


マサ達に、その店の場所を教えてあげると、マサは私に
「2人も一緒に行こうよ。」
と言って、誘ってくれた。


ユリと顔を見合わせて、
「行こうか。」
と確認をして、
「一度部屋に行って荷物を置いてくる」
とマサに言った。


なんだか、楽しい気分だった。


普段はユリと一緒にご飯を食べているのだが、話題が教習所の話や、ユリの彼氏の話ばかりで、私はこの4日間で少し飽きてきていた。


そして何よりマサの笑顔が見れるんだ〜って思っていた…。


まだ、マサに恋をしたと思った訳でも無く、言葉で言ったら『お気に入り』が一番近い。


マサの事はまだ何も知らないし、彼女だって居るかもしれないしね。


私とユリは荷物を置いてロビーの戻った。


待ってたよ、と言わんばかりに、正面玄関を出た。


「お腹すいた〜。」
ケンが、お腹を擦りながら、だらしない声をだしている。


「すぐ着くよ。」
ユリがケンに言う。


その表情が、少しだけいつものユリの顔とは違って見えた。


ユリは、ケンに気があるのかな?
私はそう思った。



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