虹の架かる橋
居酒屋に着くと、座敷に通された。


5人だもんね。テーブルより座敷の方がくつろげる。


みんなのグラスが揃うと、乾杯をした。


何に乾杯だろう?
私は素朴な疑問を抱いてしまった。


乾杯なんて何でもいいのにね(笑)


それからみんなは、出身地の話を始めた。軽い自己紹介的な感じで、話していた。


マサは東京から。
ケンは神奈川の横須賀。
タクは茨木県。
ユリは埼玉県。
私は神奈川の横浜。


みんな関東だった。
しいて言えばタクの茨城が少し遠いくらいだった。


そして、料理も少しづつ運ばれてくると、真っ先にケンが箸でつまみ始めた。



どんだけお腹減ってたんだろう?


そのスピードはかなり早いスパンで、物を摘んでは口に運びの繰り返しだった。

それを唖然と見てしまう私。


それに突っ込みを入れたのはタクだった。


「ケン、料理は逃げないよ。」


ケン以外がケンを見て笑った。


ケンは恥ずかしそうに「冷めたら美味しくないじゃん。」って。


「冷める前に誰か食べるし。」


ユリが突っ込んだ。



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