虹の架かる橋
車に乗り込み、マサを駅まで送った。


マサが車を降りる時、胸が締め付けられるような想いだった。


次は、いつ逢えるの?


ってか、次があるの…?


聞きたかったけど、聞けなかった。


ケンも居たし、「もう会えないかも?」なんて、言われたら…って考えてしまって、心の準備ができてなかったから。


「ケイ、後で電話する。」
そう言ってマサは券売機に向かって行った。


私はアクセルを踏み、マサとは反対方向に発進した。


そしてケンを乗せて二俣川の試験場に向かった。


ケンは、その一部始終を何も言わずに見ていた。




「ケイは、マサが好きなんだね…。」
ケンが言った。


「え?」


「だって、さっきもバイバイする時、泣きそうな顔してたし。」
そんな事を言われた。


心のまんま、私ったら表情に出てるんだ…。
ちょっと反省。


マサにも、そう思われてるのかな?


マサの前では笑顔で居たいのに。




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