可愛くない女が恋をする

と、その時

しゃがみこむ私の肩に何かが触れた。


「ひゃ…！」


かすれた声で叫び、
反射的にうずくまる。


「お、おい。大丈夫か？悪い。驚かすつもりじゃなかったんだけど…。」


顔を上げる。



…竹中だった。



「お前…。なんか顔色悪くねぇ？具合悪いのかよ。」

「大丈夫…。」


ゆっくり立ち上がり、
上履きに履き替える。


「大丈夫に見えねぇな。保健室行くか？」

「大丈夫だって…。」


やめてよ。


「無理すんなって。連れてってやるから。」

「いい。」


私に…かまわないでよ。


「いいって言われても…。このまま放っとくわけにいかねえだろ？」

「いいから！！やめてよ！！」


怒鳴っていた。


「お前…。」


驚いた顔をする竹中が見える。


怒鳴ってごめん。でも大丈夫だから…。


そう言おうとして瞬間。
猛烈な吐き気に襲われ口を押さえる。


「う…！」


歯を食いしばり耐える。

全身から汗が出た。



見せたくなかった。

みっともない自分を竹中に…。

竹中の目に私は今どんな風に映っているのかな？
あきれてるよね。



女の子ってさ、普通好きな人の前では
いいところみせようと努力するんだよね。

何これ。

まじだっさい。



あ。なんか目が回ってきた。

なんかもう、いいや。

考えるのめんどくさいや。




…



気がつくと目の前には
保健室の天井があり、
横にはポカリが置いてあった。