可愛くない女が恋をする
私は明安高校(みょうあん)の2年生。

高校受験では第2志望だったこの高校に
今在籍している。


この学校の第2志望だった理由は、
自宅から通学が出来ない事。

片道2時間。

高校でそれは無いと思って、
寮にいれてもらった。

最初は嫌だった。

狭いし、
なんか性格が暗くなりそうだった。

今では落ち着く空間だけどね。



1年の頃、

隣のクラスに
凄く人気のあるやつがいた。


それが竹中だった。


凄く不思議なやつだった。


何故か人が集まっていく。
カリスマ性があった。

けど、そんなのに興味がなかった私は
竹中と話すことなく、
1年の3学期をむかえた。


3学期のいつだったか…。


…忘れたけど、
とにかく私がクラスの男子と
言い争いをしていた時だった。


男子が逆切れし、
私の事を壁に突き飛ばした事があった。


私は打ち所が悪くて、
気を失って、
気がついたら保健室にいた。


「あれ…?」

「お目覚めか?短気娘。」


目の前には、ほとんど話したことのない、
竹中がいた。


その後聞いた話だが、
気を失った時に偶然見ていた竹中が
その男を怒鳴りつけて、
私を保健室まで運んでくれたらしい。



そんな恩人に私は、


「短気ってどういう意味よ。」


起きるや早々、
竹中をにらみつけていた。


「え…?」


竹中の方が動揺する。


「私は短気で怒ってるんじゃないわよ!間違った事をするから注意してるだけでしょ?!」


怒鳴っていた。


…冷静に考えると、
お礼も言わずに怒鳴りつけて…、
最低だったと思う。

ただ、短気と言われたくなかった。

自分の気が短いから怒ってると思われるのは
今でも凄く嫌だ。


はー…

言い訳にゃならないか。
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