可愛くない女が恋をする
「髪のびたよなー。」


突然、昼休みに後ろから髪を引っ張られる。


クラスの男子だ。


「ちょっと。今食事中。邪魔しないで。」


一緒に食べていた仲のいい女子が
少し動揺してしまっている。


かわいいなぁ。


「あんだよ。別にいいじゃん。」


なんだかんだ言いながらも、その場から去っていった。


「美野里ちゃん。もてるよね。」


一人の女の子が言う。


「は?どこが?」

「だって今みたいに普通に話しかけられるし…。」

「今みたいのは友達!もてるのはそっちでしょ!」

「え?!そんな事ないよー。」

「またまた。ラブレター靴箱に入ってたりするんじゃないの?」


ちょっと意地悪な目で見る。


「え?!見たの?!」

「やっぱり!モテモテだー。」

「あ、やだ!美野里ちゃん意地悪!」


真っ赤になっている。

きゃーわいいー。
こりゃもてるね。


「あ。でも、私も見たよ。美野里の下駄箱に手紙入れてる人がいたの。」

「え?」

「あ。私もあるよ。3回ぐらい見たかも!」


別の女の子たちが騒ぎ立てる。

手紙…?


一度手渡しで、果たし状をもらった事はあるけど…。


下駄箱に手紙?

見た事ないぞ?


「それ見間違いじゃないの?」


軽く興奮している女の子に聞いてみる。


「見間違いじゃないよー!みんな見てるもん!ねー。」


そう言って笑っている。


「手紙はラブレターなの?果たし状もあったりするの?」


女の子が私の顔を覗いてきた。


「あ、みんな果たし状だよ!」

「嘘!」
「怖ーい。」
「大丈夫なの?!」

適当に言ってその場はごまかした。


…そういえば、
今朝竹中も同じ様な事いってたな…。


どういう事なんだろ…?
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