可愛くない女が恋をする

曇り

今日はいつもより
はやめに学校に行ってみた。

理由は一つ。

みんなが言っていた
下駄箱の手紙の謎。

本当に身におぼえが無い。

気合を入れすぎて、
普段より30分も早く
学校に着いていた。


「手紙って…本当になんなんだろ…?マジで果たし状かな…。」


自分が悪い事を
しているとは思わない。

ただ、敵を増やしそうな性格な事は
自分が一番分かっているつもりだ。


少し寒気がした。


口では言っても、
ケンカに自信は無い。

本気で男子が怒ったら
太刀打ちなんて
絶対に出来ない。


まさか手紙なんて…

と思う反面、

もし果たし状が入ってたら…

という不安も消えない。


昔、唯一渡された果たし状は、
口での言い争いだった。

私に自分の意見を
本気でぶつけたいと書いてあった。

そいつとはお互いの納得いくまで
話し合いをして、
今では最高に信頼できる友達の
一人になっている。


あの果たし状は特殊だった。

だから私も果たし状に乗った。


けど、

私を殴りたくて果たし状を
下駄箱に入れる奴が、
最近出てきたのかもしれない。


逃げたくない。


けど、怖い。。。



自分の手が微かに震えているのが分かる。



何も確認しないで逃げたら、
自分の意見からも逃げる事になる。

それだけは嫌だった。



少し頬の筋肉に力を入れる。




ゆっくり自分の下駄箱のふたに手をかけ、




静かに中を覗き込んだ。
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