妖勾伝









「またかい?」

麗涼しい、午後のひととき。



疲れた足を休めに立ち寄ったその場所は人もまばらで、ひっそりと旅を続けたい二人には丁度良かった。


茶店で一服している男達が三人。

その話し声が耳に入る。



「酷いよな。
うちのカカアがよ、あんな酷いやられ方じゃぁ、物怪の類だって話してたけどね。
まぁ、誰がやってるかは知らんが、そのうち罰が当たるぞ。」

身震う、その姿。



顔を見合わせた、アヤとレン。

またこの手の話しか、とレンは溜め息をついた。




< 14 / 149 >

この作品をシェア

pagetop