妖勾伝
幼い頃から、その闇の存在を感じていたレン。

それは成長するに連れて、はっきりと確かに感じられるようになっていった。


そして、自覚する。

これから始まる、旅の入り口だとーーー



奇怪な物怪。

不思議ではなかった。



赤子の時に、人売りの見せ物小屋で、拾われ育ったレン。

幼い頃から起こっていた、様々な身の回りの面妖な出来事を考えると、辻褄があう。



そして、アヤと出逢った事もーーー




逢うべくして、出逢った二人。


十五年前の六つの時。

熱気の篭もる処刑場で、首を斬られる寸前の、レンを助けたアヤ。


そしてアヤもまた、複雑に絡まったしがらみに囚われながら、幼少期を過ごしてきた。



子供ながらに、重たい枷を背負った二人はお互いに惹かれあい、共にすることをその時誓いあったのだった。







< 16 / 149 >

この作品をシェア

pagetop