Dear:届かない君へ
「あり...がと....」
「もーなくな!おまえなまえは?」
「ゆいは...だよ
あなたのなまえは......?」
「おれはとーまだ!おぼえろよ!」
「うん...おぼえるね」
ー四歳の夏休み。藍ヶ丘公園の大きな木の下で、私は初恋をした。
その翌月、冬真<<トウマ>>は私の通う園へ転入生としてやってきた
私と冬真は毎日のように、おままごとやヒーローごっこ、砂場や鬼ごっこをして遊び、卒園後も同じ小学校、そして中学校に通い、いつしか私たちは仲の良い"幼馴染"となっていた
この"幼馴染"というポジションにいることが、誰よりも冬馬の近くにいれる気がして嬉しかった
冬馬のことなら誰よりも私が一番知っている、そんな自信もあった