闇ノ雫

幸せを願う




油小路の一件から、数日後。


副長に呼ばれ、俺はその部屋に向かった。


小松がいるのではないか、という不安もあったが……それは、副長の部屋に入った途端になくなった。




「……副長、お呼びですか」




中に入ると、小松はいなかった。


多分、女中の仕事をしているのだろう。




「あぁ。……お前な、小松に何をした」




筆を動かしながら、そう聞いてくる副長。


何をした……?


小松は、副長に言ったのか?


だが、副長なら俺達の関係がおかしくなっていることなどもう見破っているはずか。



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