闇ノ雫
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睦月。
この月は、やはり小松がいなくなってしまった時のことを思い出させる。
そして、その日。
小松は──また消えようとしていた。
「……帰るのか」
いつもの朝、いつもの庭。
しかしそこにいる小松の目の前には、怪しく光る刀が浮かんでいて。
「山崎……?」
俺が思わず声をかけると、小松は伸ばしていた手を止め、ぽつりとそう呟く。
一歩また一歩と近付くにつれ、その刀は輝きを増して。
──この光が、時を繋ぐ架け橋なのだと分かった。
「今までありがとう、山崎」