闇ノ雫
小松……俺達は、会ったことがあるんだ。
あの過去は……残酷な物だが、確かに俺には輝いて見えた。
そこには小松の笑顔があったから。
だが、それを見ることはもう許されない。
「本当に本当に……ありがとう」
殺したのは俺の親だから。
……好きだとは、俺の口からは言えないのか?
「またね」
小松はそう言うと、迷う素振りを全く見せずに、刀の柄の部分を握った。
幸せになってほしいから、未来に戻れ。
離れてほしくないから、ここにいてくれ。
自分でも訳が分からなくなるくらい、感情がねじれて矛盾する。