闇ノ雫

戊辰戦争



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小松がまた消えた。


そう、もうこの時代にいたなんて痕跡を、一つも残さずに。


だが、以前消えたときと明らかに違うこと。


それは……俺も、副長も局長も、みんなが小松のことを覚えているということだった。


この違いは何なのだろうか。


そんなことを考えても、俺達にとって小松の存在は大切な物であることは事実だった。


そして小松が再び消え、俺の想いが膨らんでいくのと比例して歴史も進んでいく。


局長が、御陵衛士の生き残りに撃たれたのだ。


もう二度と刀を握れない可能性を持つほど、重症を負った局長は、沖田さんと共に大阪城へと療養しに向かった。


そして──日本の歴史を大きく揺るがす、後に戊辰戦争と呼ばれる戦が、勃発したのだった。



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