闇ノ雫
小松が今、こんなにも悲しそうな顔をしているのは、それが原因なのだろう。
だったら、今が復讐する時だ。
俺にとっては楽しかったあの思い出も、小松にとってはガラクタその物だろう。
……だが、小松はそんな俺の考えを打ち切るように、緩く首を横に振ったのだ。
「……無理だよ。復讐するって言ったけど、そんなの無理だよ……」
その台詞に、自分の耳を疑う。
「お前……っ」
何を、言ってる?
あんなに、復讐する為に必死になっていたではないか。
今、その復讐相手が目の前にいるではないか──。