闇ノ雫
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副長のいる陣地まで駆けつける。
「かかれぇーっ!」
新選組は、次々と敵に撃たれながらも戦い続けていた。
木の陰に隠れ、その様子を窺う。
少しでも早く……副長に、伝えなければならない。
錦の御旗が掲げられたと。
そして、そこからまた移動しようとしたその時だった。
「や……山崎ーーーっ!」
聞きなれた声が耳に入り、思わずその声の方を向く。
不覚にも、自分に向けられていた殺気に、今気付いた。
錦の御旗のことで頭がいっぱいだったのだ。
しかし……俺の元に、足をもつれさせながらも駆けてくるその人。
「よ……しの……?」
そう声を発した途端、小松が俺の体に抱きつく。