闇ノ雫


──
───
────



ここは危険だと判断した俺達は、その場から離れた。


俺は、泣いている小松をぎこちなく抱きしめた。


何故こんな行動を取ったのかは……自分でも、よく分からなくて。


小松はたくさん泣き、涙を拭うと、意を決したように口を開いた。




「山崎、昨日の返事聞かせて……。私のこと、敵とか味方とかそんなの関係なく、どう思ってる?」


「俺は……」


「……私は、好きだよ。山崎が敵とかそんなの関係ない……好きなもんは好きだから……っ」




それを聞いた途端。


吹っ切れたように、俺は強く小松を抱きしめた。




『好きだよ』




それは、ずっと聞きたかった言葉。


俺の心の奥に、ずっとあった言葉だ。



< 126 / 143 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop