闇ノ雫
「嬉し泣きだよ、山崎のアホ……」
「屁理屈だ。……だが、今まで傷付けて、悪かった」
「ほんとだよ、どれだけ辛かったか分かってるの?」
「小松……」
お互いがこんな性格で参ってしまう。
照れ隠しのつもりで、つい刺の入った言葉を投げかける。
だが、そんな風に戻れたのが嬉しかった。
「だけど……今はこんなに幸せだから、許すよ」
口付けを落として体を離すと、小松はそんな言葉を俺にくれた。
「私も好き……山崎」
「……俺も」
俺の目の前には、ずっと待ち望んでいたあの人と、愛おしい笑顔があった。