闇ノ雫
「当たり前だろ」
「えっ、ちょっ、待って!下手くそだから!」
「二年もかけたんだろ?何度も推敲したんだろ?」
「……そりゃ、そうだけど…」
あはは……と、笑ってみせる。
私って、現代にいたときはどちらかと言うと理数系の方が好きだったし。
文章なんか、書くの大っ嫌いだったし。
……最後までよく書けたよ。
文章力以前に、行書を書けてるかどうか、の方が不安だ。
何で江戸時代の人は、こんなミミズみたいな字を書けるんだろう?
と言っても、私も一応江戸の人だけど。
ずっとあっちにいたから、かなり滅茶苦茶……なはず。
「……ねぇ山崎」
「ん?」