闇ノ雫



「悪かった。見てやるから安心しろ」




ぽんぽん、と昔のように撫でられると、私の心は決まって落ち着いていくんだ。




「ありがと。私も、ちゃんと烝って呼んであげる。安心して」


「そうかそうか」




烝は微笑み、こういうときはいつも抱きしめてくれる。


直接言ったことはないけど、この温もりが私は大好きだ。


大好き……烝が。




──そして、新選組のみんな。


もうちょっと、待ってて下さい。




『新選組軌跡録』



今から百年後、二百年後の人達が、みんなの軌跡を知っているはずです。


堂々と生き抜いた、新選組一人一人の人生を──きっと、いや必ず、未来の人達は敬うと思う。


それを実現させるためにも、もう少し頑張ります。


烝と一緒に──。




番外編『新選組軌跡録』
終わり
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